CASTING & DIECAST COOLING INFRASTRUCTURE
大型一体成形から高精度な構造部品まで、鋳造技術が新たな領域へ進む中、成形を完遂させるキーテクノロジーとして選ばれているのが「冷却インフラの最適化」です。
600℃を超える溶融金属がもたらす激しい熱負荷や局所の熱溜まりに対し、従来の冷却運用のままではマシンや金型本来のパフォーマンスを発揮しきることは困難です。
カンネツのSCS(スマートクールシステム)は、水温・水圧・水質を工場全体で統括し、ダイカスト・低圧鋳造・重力鋳造を問わず、金型内の熱制御を高い次元で標準化。ポロシティや焼き付きといった欠陥要因を抑え、確実な熱制御基盤を整えることで、貴社の鋳造技術を新たなレベルへと引き上げます。
CHALLENGES
自動車業界をはじめ、構造部品の大型化や高精度・薄肉化が進み、発注元からの品質基準は年々厳しさを増しています。同じ金型・同じ設定条件で鋳込んでいるにもかかわらず、治まりきらないポロシティ(鋳巣)、コアピンの焼き付き、クラックや寸法差。その原因は、金型やマシンの設定だけではありません。
冷却装置・水質管理・循環配管といった冷却周りの要素が統合管理されず、冷却プロセスそのものが最適化されていない状態にあることが、現場の条件調整を複雑化させ、歩留まり悪化や保全負荷の増大を引き起こしています。
現場課題
「季節や時間帯によって金型温度が定まらない」「特定の部位で熱引きにムラが出る」といった現象は起きていませんか?600℃を超える溶融金属を注入する鋳造現場では、局所的な熱溜まり(ホットスポット)の制御が不可欠です。冷却プロセスが不十分で金型温度の制御が乱れると抜熱バランスが崩れ、ポロシティ(鋳巣)や焼き付きといった成形不良、さらには金型のクラック(ひび割れ)などの重大なトラブルにつながります。
「金型の細い水管がすぐ詰まる」「熱交換効率が落ち、以前と同じサイクルで回せない」といった悩みはありませんか?高温に晒される金型内部の水管はもちろん、工場内を巡る循環水配管の全体にシリカやカルシウム(スケール)が蓄積することで、流路の閉塞や熱伝達率の低下を引き起こします。金型のヒートチェック(クラック)や、ライン全体の熱伝導阻害によるサイクルタイムの遅れを招く主要因です。
改善障壁
フル稼働を続ける鋳造工場では、「冷却設備を刷新したくても生産ラインを止められない」という非常に高いハードルが存在します。特にダイカストマシンは周辺設備や多系統の配管が複雑に絡み合っており、限られた定修期間内や操業を維持しながら安全に新システムへ移行するには高度なノウハウが必要です。工事に伴う生産停止リスクへの不安が、改善検討を後押しできない大きな要因となっています。
「冷却装置は機器メーカー」「配管工事は設備業者」「水質改善は化学メーカー」と手配がバラバラになっていると、いざトラブルが起きた際に要因特定が難しく、責任の押し付け合いになりがちです。特に大型マシンや複数系統が入り組む工場全体の見直しとなると、発注窓口の増加による社内工数の膨大化や工期遅延のリスクが重くのしかかり、根本的な設備更新への一歩を躊躇させています。
SOLUTION
お客様の工場規模・既存設備・生産スケジュールに合わせ、設備・水質・配管といった冷却を形づくる要素をトータルで統合設計。高度成形に応える熱制御基盤を一貫して構築します。
水質・水温変動の解消と冷却の安定化
一次側の水質悪化や外気温の変動をマシン側に持ち込まず、常に最適な冷却水を金型へ供給。季節や環境に左右されない熱管理システムにより、年間を通じてブレのない冷却状態を維持します。局所的な熱溜まりを抑えてポロシティ(鋳巣)や焼き付きの発生を防ぎ、保全負荷を軽減しながら高精度な成形を力強く支えます。
金型水管・工場配管の保全
軟水器・RO水装置・砂ろ過などの水処理機能をシステム内に統合。一次側原水に含まれるシリカやカルシウムといったスケール要因をあらかじめ除去・低減し、金型内の細い水管から工場全体に及ぶ循環配管まで、スケール固着や錆詰まりのトラブルを防止します。熱交換効率の低下を予防し、サイクルタイムの遅延や金型のヒートチェック(クラック)リスクを抑えます。
多系統・全ラインへの均一供給
ポンプのインバーター制御と系統別の最適設計により、複数台のマシンや多系統の配管ラインへ最適な水量・水圧を安定供給します。他ラインの稼働に伴う水圧変動を吸収して熱引きのムラを解消。金型温度を一定に保つことで成形品質のばらつきを防ぎ、離型剤塗布の適正化や歩留まり改善に貢献します。
設計・施工・導入後サポートの窓口一本化
お客様の個別要件に応じた冷却システムの設計・受注生産から、現場の配管施工管理、アフター保守までカンネツがワンストップで対応。複数業者との個別調整や不整合リスク、管理工数を大幅に削減します。24時間操業や短期定修といった現場の制限に合わせ、既存設備を稼働させたまま生産を止めずに段階移行する柔軟な施工プランをご提案します。
SCS GUIDE
不良の根本原因がマシンや金型の設定にあるのか、供給される冷却水にあるのかは、工場全体の冷却環境を整理することで明確になります。SCS詳細ページでは、水質や水温の変動を抑えて常に安定した品質の水を供給する仕組みをはじめ、スケール対策のアプローチや、生産ラインを止めずに移行する具体的なステップをご紹介しています。
工場全体の設備を一括更新すべきか、既存のクーリングタワーなどを残しながら一部ラインから改善すべきか。リンク先のページでは、貴社の投資計画や現場の生産スケジュールに合わせて選べる「導入パターン」と、歩留まり向上・保全負荷軽減につながる「具体的な改善効果」を詳しく解説しています。
VOICE
鋳造・ダイカスト業界での導入事例です。
自動車・船外機部品 / 福島
冬季氷点下10℃の厳しい環境下でも、水温35℃を年間通して安定維持。低圧・高圧の両系統を1台のシステムに集約し、省スペースと導入コストの削減を実現しました。一次側原水のシリカ対策として水処理装置を内包し、スケール固着を防ぐことで金型のメンテナンス頻度を大幅に低減しています。株式会社川金ダイカスト工業 様(創業90年・アルミダイカストパイオニア)
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EV・自動車部品 / 滋賀
EV用バッテリーケース製造を担う3,500T超大型マシンへ金型冷却システムを導入。RO水・薬注による水質最適化で設備の信頼性を大幅に向上させました。ダイカストマシンとの連動制御により、突発的なライン停止リスクを解消しています。株式会社聖心製作所 様(自動車部品売上80%・高度自動化ライン)
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複合形状・自動車部品 / 岡山
800T・500Tのダイカストマシンに対し、1台のシステムで2系統を統合管理。送水圧の個別制御によって金型内の熱引きを均一化し、離型剤の塗布量最適化と成形品質の安定を達成しました。さらに、ラインを止めずに保全を行えるメンテナンス体制を構築し、生産効率向上に貢献しています。株式会社共和鋳造所 様(創業80年・ダイカスト/低圧/グラビティ3工法保有)
導入事例を読む →WHY KANNETSU
単に冷却機器を販売・設置するのではなく、お客様の設備環境やご予算、将来の増設計画まで丁寧に聞き取り。豊富な現場ノウハウに基づき、お客様ごとの要件に合った最適な冷却環境をご提案します。
営業担当者と施工担当者が事前打合せから対応し、ご予算や生産計画、将来の増設予定までしっかり確認。ダイカストマシン単体ではなく工場全体のバランスを考慮し、系統設計や送水圧管理を含めた「お客様の現場に一番合う構成」を導き出します。
長年の現場ノウハウを凝縮した独自のプログラム制御や水処理アプローチにより、負荷変動に応じた自動運転やトラブルの未然防止を実現。水質劣化やスケール固着、凍結、ポンプ故障といったリスクをハード・ソフトの両面から回避し、長期間にわたってダウンタイムを発生させない仕組みを構築します。
「生産ラインを止められない」「工期や予算に制限がある」といった厳しい現場要件に対し、施工担当が最適な工事プロセスを立案。既存設備を活かした段階的移行や定修期間内での集中施工など、お客様の操業に影響を与えない柔軟な施工計画をカタチにします。
FAQ
鋳造・ダイカスト現場の冷却に関して、お客様からよくいただくご質問をまとめました。
一般的にアルミダイカストの金型冷却では、成形品や金型設計に応じた一定水温(25〜30℃前後など)での安定管理が求められます。水温が季節や操業時間によってばらつくと金型温度が不安定になり、ショートショット・焼き付き・ポロシティ(鋳巣)などの不具合につながります。カンネツの金型冷却システムは、二次冷却やチラー方式によって外来変動の影響を抑え、年間を通じてブレのない水温維持を実現します。
冷却管の詰まりは、原水に含まれるシリカ・カルシウム・鉄分などが結晶化するスケール固着と、開放型クーリングタワー特有の大気中からのゴミ・異物混入が組み合わさって発生します。対策としては、軟水器・RO水装置・砂ろ過・薬注装置などをシステム内に組み込んだ水質管理が有効です。スケールや錆による流路閉塞を未然に防ぎ、金型のメンテナンス頻度を大幅に削減できます。
対応可能です。140Tの小型機から3,500Tの超大型機まで豊富な導入実績があります。低圧送水・高圧送水といった複数の冷却系統を1台のシステムで一元管理する構成も構築できます。EV向けバッテリーケースや構造部品をはじめとする大型アルミダイカスト製品の製造ラインでも安定稼働を支えています。
可能です。既存設備を稼働させたまま新システムを並行して構築し、生産を止めずに移行した施工実績が多数あります。24時間稼働の工場での全面刷新や、既存配管を活かしながら順次更新する工程設計、限られた定修期間内での集中施工など、お客様の操業条件に合わせた柔軟な施工計画をカタチにします。
減らせます。金型温度の最適化により、離型剤への依存度を下げることができます。冷却水の水温・水圧・水質を安定管理して金型の熱バランスを一定に保つことで、局所的な焼き付き防止のために大量塗布していた離型剤を適正量(少量化)へ移行できます。成形品質の安定と離型剤コストの削減を同時に達成可能です。
CONTACT
具体的な計画や予算が固まっていない検討初期の段階でも大歓迎です。
設備単体の選定にとどまらず、工場全体の冷却構成や運用方法からご相談を承ります。