Smart Cool System — Plastic Molding

成形品質の再現性を、
冷却設計から見直す。

同じ金型・同じ条件で成形しているにもかかわらず品質が安定しない場合、原因は「成形機ごとに異なる冷却水の状態」にあるかもしれません。SCSは、冷却水の水温・水圧・水質・水量を一体で最適化し、工場全体の冷却を“再現性のある工程”へと整えるシステムです。

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均一供給
全成形機へ安定した水供給
→ 品質ばらつきを抑制
詰まり抑制
水質管理による流量安定
→ 詰まりリスクを低減
17%
CO₂排出量削減

※ 180t成形機20台工場モデルでの試算

Page Guide

SCSで実現できること

SCS(スマートクールシステム)は、単なる冷却機器の組み合わせではありません。工場全体の冷却環境をシステムとして最適化し、プラスチック成形における「冷却」を再現性のある確実な工程として確立するための設計思想です。本ページでは、システム全体の仕組みから現場に合わせた導入ステップまでを整理しています。

SCSの制御構造(3層構造)

セントラル(熱源)・エッジ(成形機周辺)・コネクト(監視)の3つの層が連携し、冷却水の水温・水圧・水質・水量をどう最適に安定化させるかを確認できます。

水質改善・保全負荷の低減

配管の詰まりや成形品質のばらつきを引き起こすスケール・錆に対し、SCSがどのようなアプローチで水質を改善し、定期清掃やメンテナンスの手間を減らすのかがわかります。

導入パターンと具体的な効果データ

「一括更新」と「段階導入」の違いや、自社の稼働状況に応じた選択肢、ランニングコスト等の削減効果試算データを参照できます。

How It Works

SCSの3層構造

セントラル・エッジ・コネクトの3層が連携することで、工場全体で冷却水の水温・水圧・水質・水量の最適化を図ります。

SCSの3層構造 システム全体図。セントラル機器(水処理ユニット・タンクユニット・熱源ユニット・防錆剤注入装置)、エッジ機器(専用金型温調機)、コネクト機能(遠隔監視・エネルギー指数化・異常検知)の3層で成形機へ冷却水を供給する構成。
Layer 1 ─ Central

セントラル機器

屋外〜機械室

  • 水処理装置(アクアユニット)
    軟水機やRO膜等を組み合わせ、原水を「スケールが発生しにくい高品質な冷却水」へ整える
  • ポンプタンクユニット
    高温槽と低温槽に分けて管理し、工場全体へ供給する冷却水の温度を一括で制御
  • 熱源装置(空冷式チラー / フリークーリングラジエータ)
    単体またはハイブリッド構成に対応。外気温に左右されず水温を年間通して一定維持するとともに、中間期・冬場は外気を効率よく活用して電気代コストを削減
Layer 2 ─ Edge

エッジ機器

成形機周辺

  • 小型ポンプタンクユニット
    セントラルからの冷却水を各成形機に最適な水温・水圧で分配
  • 専用金型温調機
    金型ごとに独立した温度制御で成形品質の再現性向上をサポート
  • 専用冷却水マニホールド
    各冷却回路の流量を個別に計測・調整し、供給の偏りを防止
Layer 3 ─ Connect

コネクト機能(IoT・見える化)

ComPass®

  • 遠隔監視・稼働ログ
    全設備の水温・流量・圧力・水質をリアルタイムで把握
  • エネルギー指数化
    電力・水使用量を定量化し、省エネ報告・改善活動に活用
  • 異常の早期検知
    トレンド監視により突発的な停止リスクを低減し、トラブル発生時の原因特定を迅速化
ComPass®

遠隔監視モニタリングサービス。
各部に設置したセンサーや機器の稼働状況を、Webブラウザ上でリアルタイムに遠隔モニタリング。一定期間蓄積されたログデータ(CSVダウンロード対応)を参照・分析できるため、万が一の不具合発生時も「冷却水の状態が原因かどうか」をデータに基づいて迅速に検証・特定できます。

Water Quality Control

水質改善の仕組み

開放型クーリングタワーでは、水の蒸発に伴い成分が濃縮されてスケールが発生します。また、外気と直接接触することで水中に酸素や不純物が大量に溶け込み、配管・金型の錆(腐食)を加速させます。金型冷却管の詰まりやコアピンの焼き付きが頻発する場合、こうした循環水の水質悪化が一因となっている可能性があります。

クーリングタワーでの水質変化(実測データ例)

分析項目井戸水(原水)CT循環水変化
電気伝導率182 μS/cm1,257 μS/cm約13倍
塩化物イオン15.4 mg/L198 mg/L約13倍
全硬度102 mg/L398 mg/L約4倍
酸消費量36.4 mg/L128 mg/L約3.5倍
pH5.858.07上昇

出典:カンネツ社内測定データ(2020年10月)

SCSの水処理プロセス

01
軟水処理(カルシウム・マグネシウムの除去)

スケールの主原因となる硬度成分をイオン交換樹脂で除去。加熱・濃縮されても結石・析出しにくい「軟水」へ変換します。

02
RO膜処理(不純物の大幅低減)

逆浸透膜(RO膜)により、シリカ・塩分(塩化物イオン)・有機物などの微細な不純物を除去。スケールや腐食の原因物質を極限まで低減します。

03
防錆剤注入(循環水・配管の腐食防止)

処理済みの水に防錆剤を適量注入。溶存酸素などによる配管や金型水管の酸化(錆・腐食)リスクを大幅に低減します。

04
物理ろ過処理(浮遊物・不純物の除去)

配管内から剥離した微少なスラッジ(ゴミ)や浮遊物を物理的にろ過・除去。水路の閉塞を防ぎ、安定した水質を維持します。

Introduction Pattern

導入パターン

工場全体の設備環境、抱える課題の優先順位、ご予算や投資計画に合わせて最適な導入プランをご提案します。

推奨
Pattern A

熱源設備から末端配管まで、
工場全体を一括構築

熱源装置(チラー・クーリングタワー等)、水処理ライン、循環配管までを包括的に設計。工場全体の「水温・水圧・水量・水質」を一元管理し、安定した冷却環境と高い省エネ性能を実現する導入プランです。

こんなニーズ・ご状況におすすめ
  • 新工場や新ラインの立ち上げに伴い、冷却インフラを一から一元設計したい
  • 老朽化した熱源装置や工場配管を一括で一新・リプレイスしたい
  • 工場全体の冷却トラブルを根本から解消し、エネルギーコスト削減を図りたい
Pattern B

優先課題のあるラインや
特定プロセスからのスモールスタート

既存設備を活用しながら、「水質の改善(一次側)」や「安定した冷却制御が求められる特定ライン(二次側)」などからスポットで導入。効果を確認しながら、将来的な全体最適化へ段階的に拡張できます。

こんなニーズ・ご状況におすすめ
  • 一括での設備投資が難しいため、予算に合わせて年次計画で進めたい
  • まずは特定の重要ライン・主力機で、冷却の改善効果を検証したい
  • 既存設備の耐用年数や更新時期に合わせて、順次システムを拡張したい

パターンBからAへのステップアップも可能です。
まず一部ラインでパターンBを導入し、効果を確認した上で工場全体のパターンAへ移行するプランもご提案できます。現場条件に合わせた段階的な改善を支援します。

Performance Data

数値で見る導入効果

 

【試算モデル】180t成形機 × 20台(量産成形ライン)。
※表示数値は上記モデルに基づく試算値です。設備構成や稼働環境により変動するため、改善傾向の目安としてご参照ください。

17%
CO₂削減量
省エネ効果による排出削減
97%
水使用量削減
CT比(蒸発損失がゼロに)
97%
薬剤使用量削減
RO膜処理で薬注負荷を低減
比較項目 クーリングタワー(従来) SCS導入後 改善率
水温変動幅 年間±15℃以上(外気温の影響を受けやすい) 通年±1℃管理 ▲93%
不良率 冷却ムラによる品質のばらつきが発生 ±1℃管理で品質再現性向上を支援 ▲44%
年間水道代 約125.9万円(100冷却トン) 水使用量を大幅削減 大幅削減
薬剤・メンテ費 年間96万円〜(薬品+工数) 自動管理で削減を支援 ▲90%以上
稼働率 突発停止・メンテ停止が発生 ComPass®で早期異常検知を支援 +6pt

※ 表示数値は上記モデルに基づく試算値です。設備構成や稼働環境により変動するため、改善傾向の目安としてご参照ください。

Introduction Process

導入の流れ

お問い合わせから安定稼働まで、水質分析・設計・製造・施工・アフターサポートまでカンネツが一貫して対応します。

01
無料

お問い合わせ・現場調査・水質分析

お客様の現在の冷却設備状況、成形ラインの運用条件、ご要望をヒアリング。循環水の水質分析や設備調査を行い、スケール・錆・温度変動などの課題を定量的に把握します。

02
2〜3週間

システムのご提案・概算提示

現場環境(設置スペース・熱源容量・対象ライン数)に合わせてシステムを設計。工場全体の一括構築から、特定ライン・一次側(水質改善)からの段階導入まで、ご予算・計画に応じたプランと導入効果の目安をご提示します。

03
ご成約後

詳細設計・製造

決定した導入プランに基づき、詳細な仕様設計を実施。設計から製造まで自社一貫体制で行うことで、高い品質管理と確実な納期管理を実現します。

04
自社管理・施工

設備搬入・据付工事

生産ラインへの影響を最小限に抑える施工計画を立案。既存ラインの稼働を止めない順次切り替え工事など、現場の稼働スケジュールに配慮して据付・配管工事を行います。

05
安定稼働まで

試運転・チューニング・引き渡し

水温・水圧・流量を実測しながら、目標とする冷却条件に合わせて微調整(チューニング)を実施。安定した冷却環境が構築されたことを確認した上で引き渡し、稼働後もスムーズな運用をサポートします。

FAQ

よくあるご質問(技術・導入編)

Q 射出成形以外(押出・ブロー成形など)にも対応していますか? +

対応しています。SCSは、冷却水を使用するプラスチック成形プロセス全般に適用可能です。押出成形における連続ライン全体の冷却水管理や、ブロー成形における金型冷却の安定化などの実績があります。成形方式・設備台数・冷却負荷をヒアリングした上で、最適なシステム構成をご提案します。

Q RO水(逆浸透膜処理水)は金属を腐食させませんか? +

防錆対策を組み合わせるため安心です。RO膜処理した水(RO水)は純水に近く、不純物が少ない反面、そのままでは金属の腐食性を高める場合があります。SCSでは防錆剤を最適な濃度で自動注入し、配管や金型の錆・腐食リスクを抑えます。防錆状態は定期的な水質測定で確認できます。

Q 既存の金型温調機はそのまま使えますか? +

そのままご使用いただけます。既存の温調機を生かした部分導入・段階的なシステム構築も可能です。ただし当社製の冷温調機と組み合わせた場合と比較すると、制御精度や省エネ効率に差が出る場合があります。

Q RO膜の交換頻度とランニングコストはどのくらいですか? +

交換目安は2〜3年に1回程度です。原水の水質により前後しますが、一般的な工場環境では2〜3年周期の交換が目安となります。クーリングタワーの頻繁な薬洗や清掃作業、トラブル対応コストと比較しても、トータルの維持管理費用を低く抑えられます。また、ComPass®で膜の劣化状態を早期に把握できるため、計画的なメンテナンスが可能です。

Q 停電や非常時のバックアップ体制はどうなりますか? +

BCP(事業継続計画)に合わせた冗長設計が可能です。既存の冷却設備をバックアップ系統として残す構成や、冷却回路を二重化する設計など、要求水準に応じた対応が可能です。非常時の運用計画やBCP上のご要件に合わせて最適な構成をご提案します。

Q ComPass®のデータはどのくらいの期間保存されますか? +

長期間のログデータを蓄積・参照いただけます。トレンドデータを過去に遡って確認・分析できるため、品質不具合発生時の原因究明や、省エネ効果・設備改善の定量的な根拠データとしてご活用いただけます。
※データ収集周期やシステム仕様による保存期間の詳細につきましては、現場調査・仕様打ち合わせ時にご案内いたします。

Contact

設備単体の置き換えだけでなく、
“工場全体の冷却環境”をどう最適化するか、
一緒に考えませんか。

水質分析や現地確認を通じて、冷却水の現状を可視化することから始まります。全体最適(一括導入)を視野に入れるか、まずは特定ラインや一次側からの段階導入にとどめるか、貴社の優先順位やご予算に合わせて最適な進め方を整理いたします。

・「原因不明の成形不良が、冷却水の状態に起因しているか確かめたい」
・「既存設備を生かしつつ、どの部分から段階改善できるかを知りたい」
・「一次側(水質改善)のみ、または二次側(重要ライン)のみの導入効果を相談したい」

計画や予算が具体化していない検討初期の段階でも、気軽にご相談ください。製造現場の稼働条件を踏まえ、エンジニア視点での最適な構成・進め方をご提案します。

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